左/右脳:製造業がカイゼンし続けても全然終わらない5つの理由
■カイゼンの元祖と言われる「トヨタ生産方式」が生まれて55年。
現状把握→問題発見→対策実施→他のラインへ横展開
これをやり続けてるのに、何故、日本中のカイゼンが
いまだに終わらないのか?
トヨタへ入社直後に抱いた疑問の一つです。
■そして、色々動き回り、実践し、ようやく分かってきた
現時点での僕の答えは下記です。
・カイゼンの究極のゴール「ムダゼロ」の工程は
事実上存在しないから。少しずつ近づくもの
例えば、運搬ゼロでの生産は出来ない。
運搬が発生する限り正味率(※)100%にはならない
=カイゼンの余地あり
(かつ、運搬を減らした分コストアップしたら意味がない)
(※)実際にモノの形が変わる時間/生産時間
⇒新たな技術開発、知恵の出し合いにより、
少しずつ進化
・環境が変わる中で、ベストな解も常に変動するから
(少しずつ、改善の難易度が高い環境になっている)
例えば、
・少量多品種化
→生産管理(何をどの順に作るか)、在庫管理難易度UP
・生産拠点の海外化
・労務費上昇
・受注している製品構成が変わる
・今まで「前提」としていたものを疑い、
より大きなチームでカイゼンすることに手を付けるから
例えば、
「出来上がった製品をより良く作る」カイゼンを
→「そもそも図面を変えられないのか」
→「工場と製品と物流を同時に企画出来ないか」
・『カイゼンの横展開=他ラインへの展開予定』が完遂されないから
・改善プロジェクトが終わると、元に戻るから
(上記、全て、「一旦、一定期間での改善は成功しているけど」
という前提です。そもそもの失敗は対象外)
■大企業の工程でも、しばしば見るのが「改善の廃墟」。
「過去一度作ったカンバン」
「4Sした書類跡」
「過去作った生産性指標(KPI)」
頑張って作ったけど、使われていない物達が意外と多く、
凄く残念な気分になります。
■その一方で、カイゼンがどんどん続いていく会社がある。
その一番の差は、「皆が気持ちよくカイゼンしていたか」。
■上司/プロジェクトの強制力でやっていた場合は、
当然疲れて、強制力がなくなった瞬間にダレますし、
カイゼンの楽しさに目覚め、カイゼン=ハッピーとなると、
それが文化となり、更に向上していく。
■皆にハッピーに業績を上げてもらえるか。
文化となるか。
これをもたらす工夫を続けることが、大事と思います。
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